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HIGA NEWS 2022年11月 第60号

会員の撮った1枚 福山城(広島県福山市)
会員の撮った1枚 福山城(広島県福山市)

福山城 築城400年

1622年初代福山藩主の水野勝成によって建てられた福山城は、日本一駅から天守閣が近いお城です。今年、築城400年を迎え、全国の城郭で唯一、大砲の攻撃に備えた「鉄板張り」が天守閣の北側壁面に復元され、鉄板の黒と城壁の白が鮮やかな対照をなす往事の姿が蘇りました。城内の展示も一新されました。デジタル映像を使って、模型の馬にまたがり合戦に向かったり、火縄銃で射撃の体験ができます。

また、2025年5月には、第20回世界バラ会議福山大会が開催されます。福山は熱く盛り上がっています。

福山城

HIGA30年とこれから -八幡毅副会長に聞きました-

八幡毅副会長
八幡 毅 HIGA副会長

2022年度から、畝崎雅子新会長と共にHIGAの新副会長に就任した八幡毅さん。長年、広島県庁で国際交流、広報や被爆者援護に携わりHIGAとの接点も多く、その企画力や発信力に期待が高まる八幡副会長に話を聞きました。( 聞き手はHIGAニュース編集部 大川富美会員(英語))

――HIGAとの関わりはいつからでしょう?

1997年に県の国際交流課(現国際課)で、広島県と米ハワイ州の友好提携締結を担当していた頃かな。仕事で通訳を頼むことが度々あったのだが、HIGAの会員が務めてくれることが多かった。すごく優秀なだけでなく、親切で、憧れた。それで自分も通訳案内士の資格を取ろうと勉強して。合格して、2007年にHIGAに入会したんです。

――国内にいくつか全国通訳案内士の組織はありますが、広島にとってHIGAの意義や特徴はなんでしょうか?

世界各国から要人が来日した時、東京の他に訪れる場所として、京都と広島が圧倒的に多い。JICAや平和関係のお客も多く、私が国際交流課にいた頃は、月に4人ほども。そのために専門的な知識とホスピタリティを持って対応できるHIGA会員のような人材が大事なのです。そういう経験もありHIGAは行政との距離も近い。地域とのつながりも深いと思います。

――外国人観光客だけでなく、地域への貢献もあるということでしょうか?

例えば2011年には湯﨑英彦県知事との懇談会にHIGAの若手を含む6人の会員が出席し、広報課だった私も同席しました。皆さんが、外国人観光客の心に残るのは訪れた地域でおもてなしの心に触れることだと知事に伝え、それが広島県の観光政策に活かされています。県の善意通訳講習会(現おもてなし外国語ガイド講習会)でもHIGA会員が講師を務めています。宮島などの観光業の担い手や地域のボランティアの方などに、外国人観光客の生の声を伝えたり、アドバイスをしたり。平和についても、相手の文化や歴史のバックグラウンドを考慮して説明の仕方を変える、といった配慮も含めたおもてなしの心が広島の魅力づくりにつながる。トリップアドバイザーで平和記念公園や宮島が上位に選ばれ続けているのには、HIGAもだいぶ貢献していると私は思ってます!

――それでは、HIGAの課題、副会長として何に取り組みたいですか?

課題は圧倒的に広報、営業が足りないこと。もっと発信力を持つために副会長として畝崎会長を支えていく。来年5月のG7サミット広島開催に向け「広島サミット県民会議」が先日立ち上がったが、HIGAも依頼を受けてメンバーになった。何ができるかまだ定かではないが、HIGAが1994年の広島アジア競技大会のおもてなしをきっかけに発足したように、サミットが飛躍のきっかけとなることを期待したい。

――どのように私たちの活躍の場を広げていけるでしょうか。

近年、HIGAの強みである「専門性」「8つの多言語」「ホスピタリティ」に加え、中四国地方という広域で会員が増えているのは心強い。今後は「瀬戸内海地域」で各自の専門性を生かし、自然、文化、教育など様々な切り口で魅力を発信し、リピーターを増やすことにつなげられないだろうか。例えば、新しい形のガイドの依頼として、県外の高校から「修学旅行で生徒に英語で平和記念公園のガイドをしてほしい」、海外の日系人から「広島からの移民である曾祖父のルーツをたどりたい」などがある。これをツアーとして提供できないか。

ぜひ会員のみなさんも、どんどん声を上げ、プロジェクト班を作り、新しいことに取り組んでみませんか。


第1回学習会「HIGA30周年記念 大文化祭サークル活動発表会」

英語会員 佛原 肇

6月12日に行われた「大文化祭」では、15のサークルがオンラインで発表したりスライドや動画を流しました。99名が参加し、各サークルを訪問して交流を楽しみました。

最初の発表では、私は「ゼロから始めるガイディングの会」の発表の進行役を務めました。そこでは畝崎雅子会長からガイディングに関する貴重なアドバイスをいただくことができ、参加された方々にとってはありがたいサプライズとなりました。

続くスライドショーの中では特に「OTC(オンラインツアーサークル)」の工夫を凝らした数々の映像から目が離せませんでした。OTCが先駆者となりHIGA全体のオンライン技術を牽引していることがよくわかりました。また、「出張!お茶席の会」のお茶の作法を英語で説明しながらの練習風景も興味深いものでした。

次に発表の「花木の会」では、花に関するクイズに、参加者の皆さんから迷回答?が続出し、笑いが絶えませんでした。「くずし字を読む会」では、簡単なくずし字の判読にみなさんがチャレンジしました。

全てを観ることはできませんでしたが、大変盛り上がった2時間でした。

当日の文化祭やこれまでのサークル活動を通じて、私は次のようなことを感じています。①楽しみながら知識や技能を高められた。②オンライン会議システムにも慣れることができた。③多くの方と知り合うことができた。④グループの結束力が高まった。これらについては多くの皆さんも同じように感じておられるのではないでしょうか?

開会時の八幡毅副会長の挨拶にあった「コロナ禍でHIGAが最も厳しい時期にあるときにサークル活動が始まり、それが今の成果につながった」というお話が印象的でした。雌伏の時に力を蓄える。まさにHIGAの皆さんの力により災いが転じて福となったことを示す大文化祭だったと思います。


第2回学習会「徳川から見た幕末、明治維新」

英語会員 有馬 多佳子

9月3日の学習会は、ともすれば薩長や明治政府の視点から見られがちな幕末、明治維新を逆の視点から見てみようと、標記のタイトルで開催されました。オンライン形式で87名の会員が参加しました。

まず山口県在住の藤本幸伸会員から、幕末の条約交渉で通訳・翻訳にあたった通詞の奮闘や、当時のアメリカの日本観についての発表がありました。日本が不平等条約を締結したのは徳川幕府の無能無策によるとされてきましたが、近年その評価が変わってきているそうです。アメリカ側公式記録、随行者の私的記録、日本側の記録とを実際に見比べながらの解説では、多面的な視点の重要性を実感しました。

続いて、伊予松山藩、高松藩、福山藩についてそれぞれ地元在住の会員から発表がありました。この3藩は徳川家と近かったため、幕末維新期には難しい状況に置かれました。愛媛県の柏井義弘会員からは、伊予松山藩において藩内の政治判断からどのように朝敵として処分されるに至ったのか、時代を追っての丁寧な説明がありました。一瞬の情勢判断の巧拙で藩の運命が決まる激動の時代でした。次いで香川県の細川治子会員の発表では、高松藩が当初は香川県として独立できなかったこと、そのため大名庭園であった栗林荘は管理が行き届かず荒廃し、のちに栗林公園として整備された経緯がよくわかりました。日本三名園を凌ぐ趣とも言われた栗林公園は、近年公園から庭園へと原点回帰しているようです。最後に福山市の檀浦千里理事からは、福山藩が紹介されました。藩としては2度の長州戦争に加わった一方で、領内の鞆の浦は尊皇攘夷派も受け入れる開かれた港町であり、それを支えたのは政治情勢に通じ潤沢な経済力を備えた町人だったという、福山の底力を感じるお話でした。

休憩時間には福山城リニューアルの情報も提供され、新しい知識・情報を多く得られた学習会でした。

オンライン学習会

歴史の息づく絶景の港 鞆の浦

英語会員 宮本 禎

コロナ禍により一昨年より中止になっていた対面/実地のHIGA主催の研修会が久しぶりに5月21日に畝崎・古谷新旧会長を含め31名の会員の参加を得て鞆の浦で開催されました。鞆の浦は「瀬戸の夕凪が包む国内随一の近世港町」として、2018年に第65番目の日本遺産に登録されました(2020年までに日本全国で104 か所が登録されています)。

当日は、鞆の浦観光の発展に尽力されている「保命酒」の鞆酒造の7代目当主岡本純夫氏に鞆の浦についてのプレゼンテーションと、保命酒の製造・販売で財をなした太田家の住宅の案内をしていただきました。午後にオプションとして、福山在住の檀浦千里理事の案内で福禅寺対潮楼を訪れ、朝鮮通信使に関する説明も聞くことができ、盛りだくさんな内容でした。

後日調べてみると新しい発見も色々とありました。鞆の浦は古来より瀬戸内海の海上交通の要衝として栄えて来ました。730年に大伴旅人が鞆の浦を詠んだ歌が万葉集に残っています。瀬戸内海のほぼ真ん中に位置し、潮の流れの速い4つの海峡の通過のタイミングを計る潮待ち港としてにぎわいを見せました。そこには北前船の長い航海の途中に船底にこびりついたフジツボを焼き払い、次の航海に備えるドック(焚場たでば)や他の港湾設備が整っていました。

17世紀初頭から12回に及んだ朝鮮通信使、琉球使節やオランダ商館長等を魅了した福禅寺の対潮楼からの瀬戸内海の眺めは、朝鮮通信使の正使に「日東第一形勝」と絶賛させるほどの感動を与えたそうです。

先年亡くなった日本文学研究者のドナルド・キーン氏は鞆の浦を「世界に瀬戸内海ほど美しい海があるだろうか、町も美しい。細い道を歩きながら、昔の日本の町はこうだったと嬉しく思った。古い商家が軒を連ね、本物の伝統を守っている生きた町という実感が湧く」と表しています。

久しぶりに訪れた鞆の浦でしたが、ガイドとしての目でもう一度見てみると、日本観光の定番訪問先に飽き足りない2度目、3度目の訪問客に喜んで貰えるちょっとニッチな訪問先としてのポテンシャルを強く感じました。

HIGAの活動報告(2022年5月~10月 )

  • 5月21日(土)鞆の浦(福山市) 現地集合型ツアー
  • 6月 5日(日)通訳ガイド実務新人研修(平和記念公園・宮島の現地研修)
  • 6月12日(日)HIGA30周年記念 大文化祭サークル活動発表会(オンライン)
  • 9月 3日(土)学習会「徳川から見た幕末、明治維新」(オンライン)
  • 10月15日(土)下蒲刈(呉市) 現地集合型ツアー
  • 10月29日(土)HIGA創立30周年記念イベント開催と記念誌発行

ヨーロッパで見たツアーガイド

英語会員 佐藤 仁美

この夏、ドイツ留学中の家族を訪ねた際にヨーロッパ各地を旅した。すでにアフターコロナの解放感にあふれる国々で、いく度か現地の英語ツアーに参加したので、印象的だった3名のガイドさんについてお伝えしたい。

ベルリン在住のベテラン男性ガイドによる「ナチス第三帝国と冷戦時代」ツアー。初めに「つらく重い史実ですが、つらいばかりにならないように心がけますね」と言われ、ホロコースト記念碑や今に残るベルリンの壁などの説明の中にも、クスっとなるようなエピソードをはさんで話された。実はその数日前に参加したアウシュビッツ(ポーランド)のツアーでは、立て板に水のごとく語り続けるガイドの壮絶な話と悲しい展示物に圧倒され、私は途中から頭がついて行かない状態だった。ベルリンの彼に終了後尋ねると、「あまりにつらい説明ばかりだと、みんなの頭がシャットダウンしてしまうと思うんだ」と自らのポリシーを語ってくれた。

ところ変わって火山の国アイスランド。大自然をミニバスで巡るツアーではガイドがドライバー兼任。数百キロを延々と走る!話す‼初日ツアーのガイドはビッグスマイルに“Enjoy!”が口癖で、「今日は皆さんのホリデーです。自由時間にどうしても見ておきたい所があれば、集合時間に少々遅れてもOKだからね」。なんということを!自らが運転手だから言えるのだろうが、でもこんな言い方があるのかと目からうろこ、私自身も気分が軽くなった。しかし明らかな指示不足で迷子が…。苦労は何処も同じようだ。

翌日の氷河ウォーキングツアーのガイドは山岳のプロ。驚きのハイテンションで “Let’s rock’n’roll!” という謎のフレーズを叫びまくる。装具を着ける際、「いいか、ひとつできたら“BAM!!” と叫んで教えてくれ!」等々…そのうち全員がつられてバンバンと盛り上がる。帰路、鮮やかな夕陽の中、ひたすら単調なハイウェーをノリノリで爆走する彼の背中に、プロの矜持を見た気がした。

個性あふれるガイドの皆さんから多くを学ばせていただいた経験だった。

氷河ウォーキングツアー
氷河ウォーキングツアー

岡山 -桃太郎と鬼のAnother Story-

英語会員 尾﨑 美樹

岡山と言えば桃太郎、お土産と言えば吉備団子を連想される方が多いと思います。実際岡山は空の玄関、岡山桃太郎空港を始め、岡山駅前にはお供を連れた凛々しい桃太郎像、街には桃太郎と名の付くお店、施設が溢れる正に桃太郎ランドです。桃太郎伝説は全国にありますが、2018年に晴れて「『桃太郎伝説』の生まれたまちおかやま」として日本遺産に認定されました。

古に吉備と呼ばれた岡山、この地には吉備津彦命(きびつひこのみこと)による温羅(うら)と呼ばれる鬼を退治した伝説が古事記にも記され、昔話桃太郎の原型になったとされています。実は温羅とは百済の王子で、彼の地で大きな戦に敗れ逃れてきたところ、民衆に温かく受け入れられたお礼に造船技術や製鉄技術を伝授します。その後繫栄した吉備の国は大和朝廷にとって脅威となり、朝廷から吉備攻略の命を受けたのが吉備津彦命=桃太郎です。ここまでのところで勧善懲悪の担い手が逆転したと感じるのは私だけでしょうか。温羅の住処とされた標高400mにそびえる古代の城、鬼ノ城(きのじょう)は日本100名城の一つとして数えられていますがその周辺には血吸川(ちすいかわ)、矢喰宮(やぐいのみや)、鯉喰神社(こいくいじんじゃ)とエピソード満載の名所が名を連ねます。

さて岡山では「鬼はまだ生きている」とされています。それを体験できるのは吉備津神社で行われる特殊神事、「鳴釜神事(なるかましんじ)」です。釜の下に鬼の首が埋められていて鬼の鳴き声で吉凶を占うものです。そこはとても厳かな場所で、確かに私も鬼の気配を感じました。人々は昔から鬼も信仰の対象としており、8月の桃太郎まつりでも、参加者が鬼に扮する「うらじゃ」が最大の見せ場となっています。派手な鬼の化粧で軽快な音楽でダイナミックな演舞を披露するパレードは今や岡山の夏の風物詩です。

鬼が主役?の桃太郎まつり
鬼が主役?の桃太郎まつり

2022年度新人研修でのガイド体験

英語会員 堀田 和恵

私は昨年入会し、オンラインで新人研修を受講しましたが、今年は2年ぶりの実地開催ということで、再び研修を受けました。今年度の入会会員に加え、昨年、一昨年に入会した会員を含む12人が参加。曇り空で途中から雨も降りましたが、天気を気にしなくてはいけないのは実地研修ならではです。

6月5日、宮島フェリー乗り場、9時半集合。3人の講師と共に宮島桟橋から厳島神社、大願寺に至るまでの模擬ツアー研修です。お土産やカキ養殖などにも触れながら、ひとり一か所ずつ主要箇所をガイドとして案内しました。どの会員も入念な準備で、写真や動画・小道具などを使う人もいるなど、それぞれに工夫と個性が表れていました。途中、要所要所で、講師の体験談やおすすめポイント、時間管理なども教えていただきました。実際のツアーでは、これらを自分一人で行うのだという自覚がでてきます。

昼休憩や移動の路面電車の車内で、会員同士が打ち解けた中、午後は平和記念公園研修でした。原爆ドームから平和記念資料館までの模擬ガイドをしました。ツアー最後のお題は「広島の復興」。まちの復興だけでなく、市民に身近な存在である広島カープの誕生も紹介されると、一同に笑みが。雨の中、研修ツアーは明るい雰囲気で締めくくられました。「実際のツアーでもゲストにそのような気持ちで終了していただくのは大切なこと」と講評があり、ガイドの役割を再認識しました。

研修を通して、ツアーのオペレーションやガイディング時の位置取り、声や目線などの気配りを実体験し、ガイドをする上での留意点を具体的に考えることができました。また、入会年数の近い会員同士で横のつながりを築くことができたことも有意義でした。

新人研修でのガイド体験

【ご協力ありがとうございます】

HIGA賛助会員の皆様(2022年11月現在 順不同、敬称略)

団体会員:

広島紅葉ライオンズクラブ 広島商工会議所 広島トヨペット(株)
(有)はやし JTB協定旅館ホテル連盟広島支部 つばめ交通(株)
(株)藤い屋 (一社)広島県観光連盟 カフェ・ポンテ 岩惣
広島県民文化センター あいおいニッセイ同和損害保険(株)

個人会員:

古谷 英明 延本 真栄子 吉中 康麿 嘉屋 基一 藤井 倫子
清水 憲吉 辻 孝和 吉井 敏弘 河野 博行 海生 直人
くらわんか 青野 重信 藤井 芳子 田島 謙治 花やしき

賛助会員としてご協力くださる団体、個人の方を募集しています。ぜひこの機会に入会をご検討くださるようお願いいたします。年会費は一口につき団体会員2万円、個人会員5千円です。団体会員にはHIGAニュースに広告掲載の特典があります。
お申込み、お問合せは当協会事務局 082-245-8346(月~金 11:00~14:00)まで。
※現在新型コロナウイルス感染拡大に伴う対応のため、事務局受付時間を短縮しております。ご理解とご協力をお願い申し上げます。

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